猫漫画


だいぶ前に野良猫だったオスのトラ猫を飼っていたことがあるのであるが、名前はそのまんまトラちゃんで、このトラちゃんが太り過ぎて屋根から塀に飛び移ろうとして、そのまま落ちて顔の半分ぐらいが塀でそぎ落とされて、獣医に連れて行ったらとんでもないお金をとられたのである。

トラちゃんは牙が片方欠けていて、野良猫だったので年齢がわからんのであるが、数年して具合が悪くなって獣医に行って、治療の点滴の針を刺したまま家出して、死ぬ間際に帰ってきて一晩中小さな声でニャアニャア鳴いて、朝方お亡くなりになったのである。

そのときのあまりの悲しさに凝りて二度と猫は飼うまいと思ったのであるが、そのあと真っ黒の野良猫のクーちゃんがどこからかいきなりやってきて、あたしにくっついて勝手にスタスタと台所に上がり込んでうちの猫になったのである。

クーちゃんはしばらくうちの猫であったのであるが、ある日、自分の家を思い出したらしく、帰ろうとしたのか道路を渡ろうとして車にはねられてお亡くなりになったのである。

近所の人に「おたくの猫が道路で死んでたけど、近くのガソリンスタンドの人が役所に電話してかたづけたよ」と教えられて、そのあまりの悲しさに二度と猫は飼うまいと決心して、それ以来さすがに猫は飼っていないのである。

ほっこりする話である。

ちがうだろ。

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