ポツンと一軒家の子3


前回の入院騒ぎの話の主は、「お父さんとボク」の回の後書きネタで、あたしが5歳のおり、父親の命が危ないときに「わはは、そいつはすげーや」と笑ったのを怒った伯母である。

平たく言えば父親の末の妹で、長期間いっしょに暮したので、年は離れているが、ある意味、姉弟みたいな関係である。

それで、その伯母が朝起きたら「めまいがする、立てない、吐き気がする」と言ってげーげー吐いて、当然、伯母の家族は大あわてで救急車を呼んで病院に行って、どうも症状からは素人判断でも脳梗塞あるいは脳出血てなことが脳裏に浮かんで、電話をもらったあたしもびっくりして取るものもとりあえず、下着を着替える時間もなく、きたなくてくっさいままで駆け付けたわけである。

それで、伯母はなにしろめまいで歩けないし、げーげー吐くしで大騒ぎであるので、その日はめまいと吐き気を止めるお薬と点滴をされてお休みになったのである。

次の日落ち着いたので、目にライトを当てられたり、手を挙げたり下げたり回したりとか、足を片方づつバタバタさせられたりとあれこれ検査をされて、血液検査や脳も調べて結果待ちてなことである。

それでまた次の日に、「もうだめだ」とこの世の終わりみたいに悲嘆にくれてる伯母に、医師とナースのおねえさんが反笑いで「たいしたことはありませんから、帰って結構です」てな話をされて、無事ご帰宅なされたのである。

検査の結果は、脳にも血液にも異常がなくて、健康体であるてなことである。

それで、めまいとげーげーの原因は良性発作性頭位めまい症てな診断で、平衡感覚に関与する耳石のかけらが三半規管に侵入して平衡感覚に異常をきたして、さらには強烈な吐き気を催したてなことである。

まあ、どちらかといえば男性よりも女性に多い症例で、いってみればよくあるおびょーきであるわけであるが、だいたい長くて5日ほどで改善してもとの生活に戻れるてな話しである。

だから、伯母が人生の終わりを悟ったような苦しみ悲しみの顔で悲嘆にくれてるのを見て、医師とナースのおねえさんは反笑いであったわけである。

まあ、このめまいと吐き気が脳梗塞や脳出血あるいはメニエール病てなこともあるので、この手の症状が出たときは、軽々に考えずに、とにかく病院に行って医師の指示に従うことが重要であるのは言うまでもないことである。

いつも口をすっぱくして言うことであるが、具合が悪くなったら氣だの霊能だの祈祷だの手かざしだの呪文だのグルだの教祖だのほら吹きだのインチキ療法だのに頼ることなく、良い医師の診断と治療を受けることが肝要である。

古今未曽有稀にみる史上最強の天才霊能気功師と言い張るあたしが言うんだから間違いないのである。

三半規管に入った耳石によるめまいや吐き気は、あたしが怒涛の氣を当てても治らないし、もちろん悪霊や先祖のタタリではないのである。

病気になったら医者が第一である。

もちろん、ネタがネタであるので、オチはないのである。

ちゃんちゃん。

ちゃんちゃんもいらないのである。

うるせーよ。

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